我々の研究室に興味を持つ皆さんへ

 2011年3月11日 14:46 に東日本大震災が発生しました.余りにも多くの命が失われた事に呆然とすると同時に,一瞬前まで夢に満ちあふれて幸福な日々を送っていた方々の,無念な気持ちを推し量る事もできません.亡くなられた方々のご冥福をお祈りし,被災された方々が一日も早い日常を回復されることを望む毎日です.このようなHPで書く言葉もありません.

 地震の前後で日本の多くの価値観が変化してしまいました.当然のことと思います.特に,直接に被災していない我々は,その後に発生した福島原子力発電所の状況およびその対策,さらに東北電力,東京電力の管内で発生した電力不足,そして,日本の脆弱な社会の露呈に直面しています.これらの状況は,今後の日本だけでなく世界の方向性を大きく決める議論の切っ掛けになるものと感じます.16年前に神戸の震災の後,関西から他の地域へ時間が経った後行った際に,ほとんど何も無かった様に日常が続き,政治も社会も鈍感な対応を続けた状況を目の当たりしました.今我々の側が,被災者から見られたらその状況にあるのであろうと思います.全ての事は映像ではなく現実であり,必要な事はその場でしか出来ません.従って,我々は本当に長期にわたってできることを意識して支援を行っていくことが必要だと思っています.神戸の震災の後の過渡状態にあったこれから世の中の支援が本格化しなければいけない時に,東京でサリン事件が起きてしまいました.そのことが報道,人々の意識から神戸のことを霞ませてしまった状況を見た覚えがあります.これと非常に似た問題の連鎖が今に有る様に思います.我々は,天災である震災の被災者への援助を続ける事が最も必要なことであり,興味にまかせた東京中心の報道に右往左往せず,その後の社会復興へ個人の利害と関係なく寄与して行く事が必要であると思います.

 本HPでは,今後時間を掛けながら,電気工学の研究者として説明すべきこと,システムの安定性から安全性への意識の変革,新しい技術が生み出す未来の形などを述べ,過去の延長ではないエネルギーに関連する研究への投資が今後の世界の中でもっとも重要であることなどを機会を捜して述べて行きたいと思います.

 これから社会を支えて行かなければならない若い人には,自分の成すべきこと,自分ができることを考え,日々その活動に対してまじめに取り組んでもらえれば大学の教育に携わるものとして幸いに思います.

内容

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Last-modified: 2020-09-04 (金) 16:47:40 (1328d)