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なぜ60Hzの発電機が50Hzで使えないの? (暫定)

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こんなあたりまえの質問に,この2ヶ月だれも真面目に答えていないと思っています.またなぜ50Hzの領域に60Hzの交流を供給できないのかということを,今のシステムの維持や手法の問題ではなく物理として説明した記事や,解説を見た事がありあせん.上記の質問は,震災の後外部から電話で受けたものです.「もし混ぜたら何が起こるのですか?」と疑問をもつ方も多い様です.なんだか専門家と称する人が言ってるから無理なのだろうと思って考えない人が多いと思います.さすがに理系の人には混ぜたら問題という事ぐらいは分かっていると思いますが,それは利用者としての意識での理解です.

今のシステム・機器の設計時の前提がいつのまにか物理的原因と勘違いされて説明されているのが現状です.多くの電力会社の責任のある技術者はおそらく私と同じ世代ですから,大学で習った電力技術がどういうものであったかよくわかります.なぜかわからにけれど,たとえば発電機を海外から日本に輸入した時にそうなっていた,というものです.ご多分に漏れず明治維新後の日本の技術はコピーによって安く同じものを作るということでした(今我が国がアジアの国にクレームを出していますが,それは日本がそういう成功したビジネスモデルでのし上がったことを知っているそれらの国に,お前に言われる筋合いは無いということになるのではないでしょうか?).完成して輸入された製品を企業が分解してまねをする・・・なぜか分からないがコピーして作る時のノウハウとして残し,いろいろな設計時のパラメータがなんだかわけのわからないままに「XX係数」「YY度」といった計算上のまじないのように与えられまさした.こんなものが学問であるとはとても言えません.なぜなら物理がどこにも無いからです.工学は経験則の集約です.しかしその依るものは物理・化学で合理的に説明されなければなりません.そうすることで異なる容量,定格においても,スケール則が成立することから設計が可能になるのです.しかしながら,上述した分からない係数や設計パターンを多く知っている人がいわゆる専門家であり,それを超えて要求に応えられることが必要であったのです.従って.その人には何も合理的な説明できません.回っている発電機の多くでは,何故かわからないが適切と考えられるパラメータを設計に使ったものが多く有ります.これは多くの古典的なモータでも同様です.もちろん別の方法で理由はつけられています.

理想的な発電機であれば,物理的にはどちらの周波数も発電できます.できないのは,その設計製作に当たって,元々の分からないまま導入した原理に,後付けで効率が良くなる様に最適化した材料,係数の補正,さらには構造を積み込んで来たことで,前提とする機能保証が何も無くなるということに因るのです.その結果,機械的な破壊に至るか否かはやってみないと分かりません.今ではシミュレーションで多くの検討がなされていて問題が無いと考えられるかもしれませんが,もともとの検討項目が過去のノウハウであるに過ぎませんから,検討していない事象で何が生じるかは,その連成系としてのモデルが正しく無ければ意味をなしません.ですからシミュレーションも結局は過去に設計製作したものが考えられる範囲では問題ないという事しか言えないのです.定格という設計のための基準値に1.5倍の余裕を与える・・・なぜでしょうか? 想定がどこにあるのでしょうか?

要するに,そういうふうに作っていない・・・としか言えないということです.たとえばタービン発電機の様な長軸の回転機は,低い周波数で負荷を持って運転するとそこに共振周波数があって破壊するということなどがあり得ると予測できます.それは正しいものです.しかし,水力発電機には当てはまりません.即ち,できないというのは電気の60Hz, 50Hz の問題ではなく,どの周波数で発電継続するための設計をしたかによるということに過ぎません.このことを説明も無くあたかも理論の様にうやむやにし,根本の問題を理解していないのが現状だと言えます.原点に戻ってなぜということを経ていない技術は,その設定外で運用する時に何も保証されないということを理解する必要があります.安ければ・・・ということが生む結末は理由の無い妄信です.

さてさて,もう少し技術的な議論はできないでしょうか?

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蹴上.jpg

京都蹴上発電所の写真(直流,交流;単相,二相,三相:異なる周波数で発電機ごとに

負荷に応じた電力を供給していた.)詳しくはこちら

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Last-modified: 2013-10-22 (火) 16:53:12 (1339d)